飛島7

飛島2日目。港旅館の八畳くらいの和室で一人寝起き。昨夜と今朝の予報では晴れだったのに、結局終日曇天模様でした。

朝飯を食べて、チェックアウト。大きい荷物は宿のご好意で置かせてもらうことになり、午後13時の酒田行き出航まで島内散策へ。この日は移動距離を稼ぐために、西村食堂で自転車を借りることにしました(無料)。

とにかく歩き続けた昨日の後だったので、やたらと速く感じた自転車移動。で思うのは、ぜったいに徒歩移動がいいということ。車はもちろん自転車でさえ移動手段でしかなく、人間が歩くスピードこそが、もっともその場所の空気を感じるのに適しているのを再認識しました。パンフレットの売り文句にもあるように、確かに自転車があれば駆け足で一周できるんですが、それではつまらない。


港旅館の窓から。


中村地区。


巨木の森を抜けて、鼻戸崎展望台から見る寺島と鳥海山。


法木地区。


法木地区。


法木地区。

勝浦から中村を抜けて法木を再度訪問。通過という表現が最適と思えるほど、ここまでがとにかくあっという間。撮影は自転車を止めているので流れが切れるとはいえ、記憶と移動のスピードが合ってない感じが今でもしています。それがいいのか悪いのか、今回はよくないイメージ。移動のスピードが速過ぎると。

島6

法木地区から戻り、日没までもう少し。宿に入るのはもったいなかったので、小松浜の海水浴場まで日没を観に。ばかすか写真撮っていたんですが、今回はMFレンズだったので、絞りリングで露出を調整し、その確認のためにファインダーから目を外さなければならず、慣れるまで時間がかかりました。LXを使っていた頃は、写真の現像からプリントまで湯水のように金を使っていたのを思い出して、デジカメはすごいなと感嘆。

1泊2日の旅行で、宿泊先は「港旅館」へ。楽天トラベルで飛島の宿を検索して、1件だけヒットしたのがこの宿でした。晩飯はこれでもかと魚介類が並び、さらに隣にいた釣り客からカワハギをもらいました。今日の釣果だったらしく、淡白な味が美味しく感じました。

島5

緯度的には秋田県にかほ市の延長線上にある飛島。15世紀には仁賀保氏の所領で、仁賀保氏が最上氏に滅ぼされてからは、庄内藩領を経て山形県に含まれていった流れがあります。こういう事実を踏まえると、隣人以上のつながりがなくもないわけで、なんとなく親近感を覚えてきました。

西村食堂で腹ごしらえをして時計を見ると2時半ごろ。どう考えても日没後は出足が鈍ると思い、とにかく歩きまわることにしました。島の地図を確認しながら、集落を歩くことに。勝浦、中村、法木と大きく3つの集落に分かれる飛島。歴史的には法木がもっとも古いものの、勝浦港がフェリーの発着場になっているからか、前述の順番でもの寂しさが募っていく感じ。


中村地区の漁港。


このカーブを曲がると、しばらく海沿いの道に。飛島小中学校の前を通って、法木地区へ。


法木地区に至る坂道の途中。


法木地区。


法木地区から、中村・勝浦方面へ戻るための坂道。どこの地区からも鳥海山が見えるので、なんとなく本州との結びつきを感じます。

島4

1ヶ月近く前になる飛島写真が続いていますが、1~2月の厳冬期に行ったらどんな感じなんだろうな、などと思ってます。


ほっとするような、後ろ髪を引かれるような感じで荒崎を後に。猛烈に空腹を感じながら徒歩。食事のことをまったく考えていなかったことに気づき、どこで食べられるのか調べて、勝浦港近くの「西村食堂」を目指すことに。ここがダメなら、投宿先に頼み込むしか無かったのかも。


人気のない道を歩いてたどり着いた無線中継所。「超短波無線発祥之地」の碑が。


無線中継所から標識を頼りに歩いて行くと、開けた場所に出て、眼前には普通に整備された畑。後で調べたところ、もちろんここは島民の畑で、漁業の合間を縫って、女性が野菜などを栽培するための畑とのこと。明らかに動かない車が道具置き場のような使われ方をしていました。


2時近くになり、まともな食事を諦めつつ店に入って聞いてみると「ラーメンだけならあるよ」ということで心底安心。メニューは中華そば(醤油)と島ラーメン(塩)の2つのみ。「島ラーメンにはトビシマカンゾウが入るよ」と言われたらそれを食べるしかありません。トビシマカンゾウは…菊の花のようなシャクシャクした食感で、酢に漬けてあるような味。

客は自分一人でしたが、数分後に誰かが入ってきて、食堂の店員と会話をしながらテーブルに座った様子。振り返ってみると郵便配達員の方で、中華そばを食べて先に店を出ていきました。

島3

写真の更新をしないで何をしてるかというと、『日本海の孤島飛島』を読んでます。歴史や社会的な背景を知ることで、観たもの・場所を、違う心身で追体験するような感じ。今回はくまなく歩きまわったわけではないので次回に期待。というか、こういった楽しみ方は今までほとんどなかったなあ。そんなんで、秋田をもっと知りたいと思えた旅行です。


南灯台からは完全に無目的的な歩行になってしまい、とりあえず来た道は戻らないという方針のもと、森の中をトレッキング。スニーカーじゃなくて、トレッキングシューズを履いてきて正解でした。もし天気が良くなかったら、枝間を抜ける陽光もなく、かなりの迫力になっていたと思います。標識ひとつでも、人工物が見えてくると安心したり。


標識にある「荒崎」を目指すことに。特に迷うこともなく、向こうに海が見える道を下っていきます。気づいた時には松林が見えていて、同時にサニーデイ・サービスの「海へ出た夏の旅」が脳内で流れ始めました。あの曲には「海へ出た夏の旅~再び」があって、松林が出てくるのはどっちだったかなあと考えながら、海岸に到着。


穏やかで海っぽくない海。人の気配がないからか、漂着しているゴミが不自然。


荒崎はトビシマカンゾウが咲く場所で、シーズンにはそれ目当ての人が居るはずですが、人っ子ひとりいません。4人がけくらいのベンチが用意してあって、することといえば座って海を観ることだけ。小さな波が立つだけの海には動きが感じられず、鳥もおらず。じっと観ていると浮遊感というか、景色に同化していくような瞬間があり、ここに長く居るとまずいような畏怖の感情が湧きました。

島2

10月下旬から11月上旬にかけて一気に寒くなったので、飛島に行ったのことがだいぶ昔に感じられます。島を歩きまわった時はTシャツ一枚でも汗かくくらいでした。


「賽の河原」では、その一帯に入ると足元の石が急に丸っこくなり、ゆるやかな丘を形成していました。案内によれば”沖合にある烏帽子群島の玄武岩が波でもまれてできたもの”とのこと。ここは霊の拠り所となっているらしく、石を持ち帰るのは厳禁とされています。恐山や久高島でも石の持ち帰りは厳禁でしたね。歩いて数分で、こんなに海岸の景色が変わるのも、なんというか興味深い。


目に入った瞬間から「Fuck」の文字しか浮かばなかった見事な岩塊は、「ロウソク岩」と呼ばれる奇岩ですね。通りすぎて、振り向きざまに観て、視界から消えて今に到るまで、ロウソクの発想は出てこないなあ。



海岸沿いの林の中に見える小さな社をくぐると、石垣に挟まれた小さなカーブの向こう側に現れる「明神社」。『日本海の孤島 飛島』によれば、”飛島本当の西南に位置する御積島の洞窟内の壁面は龍のものといわれる金色の鱗紋状をしている。洞窟は勝浦の「遠賀美神社」の本殿であり、島では最も神聖な場所といわれている。御積島が見える西海岸の「明神社」は、本殿の遙拝殿として建てられた”という場所。このあたりから1時間半くらい、周囲の人の気配がゼロに。


人の気配がゼロの鬱蒼と茂った森の中、坂道を登ったところにカブが見えてきました。通り過ぎざまに見ると、ゴム長も置いてあって、たぶん何かの作業なんでしょう。が、なにゆえカブが? 林道をカブで来るのは難儀しそうです。周りを見渡しても人の気配がゼロのまま。まあ、ここだけ人がうようよいたら、それはそれで驚きますね。



飛島南灯台と、その麓にあった絵。2回ほど照らし合わせてみましたが、この構図では景色が観られそうになかったので、きっとデフォルメしてるんだと思います。

「11月になったら、きっと今年も行けなくなるに違いない」そんな強迫観念にかられて、先行投資的な取材も兼ねて飛島に行ってきました。


気持よく晴れた土曜日。酒田港を出航した「定期船とびしま」のデッキから観る鳥海山。乗船客はのほとんどは釣り人に見える。


ウミネコ繁殖地である「謎の石塁」から観る勝浦港。


唯一の海水浴場である「小松浜海水浴場」は勝浦港から徒歩数分。


海岸遊歩道、長崎のあたり。海上に数艘の釣り船が見えた。

*  *  *

もう少し続きます。

土曜日終日、夜通し日曜朝の6:30まで原稿と戦っていたので、一段落したらヘロヘロに。

「廃校フェス」が頭の中にあったものの、もはやロングドライブ無理、しかし何もしないで終わるのも口惜しいということで、太平の喫茶店「近江屋」に向かいました。

到着すると人の気配がせず、嫌な予感とともに張り紙を見ると、今週末と来週末は休業とのこと。うーむ残念。せっかくここまで来たこともあり、集落の入口で見かけたつい立てをたよりに「アメヤ珈琲」へ。

「秋時雨」という季節限定ブレンドを飲んでいると、窓の外の雨が土砂降りに。店の中は落ち着いた感じで、じっくり本を読むこともできる椅子でした。椅子が合わないと長時間読書は難しい。でも、合う椅子がある店の方が珍しい。というわけで、喫茶店探しは椅子探しという側面もあります。普通に珈琲を飲む時はそうでもないのに、本を読む時は、肘置きが欲しくなるんですね。

そして10月17日は、かみさんの愛犬の命日でした。

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朝一番で町内会の草取りイベントやっつけて、朝飯後に作業を一段落させて、無期限休業中の松本飯店の前を通って、シアタープレイタウンで「ノスタルジア」観て、自転車の錆落としをしようとするも、あまりの天気の良さに雄物川CRまで出てまったりして、という日。

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